外科処置を併用した急速矯正法
過日、最新の歯周治療、インプラント、矯正治療「永続性を考えた歯周治療」というテーマで、県内外の4人の講師による講演会が盛岡市内のホテルで行われました。
60名ほどの参加者があり、当院からは私と久保先生が参加しました。
矯正関連では、大阪の浦野智氏による「PAOO(ピー・エー・オー・オー)[外科処置を併用した急速矯正処置]の考え方と臨床応用」という講演があり、アメリカのDr.Wilcko が開発した、歯の周りの骨(皮質骨)にドリルで小さな穴を沢山開けて歯の動きを早めるとともに、その周囲に骨の粉を振りかけて骨の量を増すという方法が紹介されました(ウイルコ法)。特に歯の動きが遅い成人の患者さんに恩恵があり、矯正装置が入っている期間を半年から1年間ほどに短縮できるとのことです。
当院でも県外への就職の関係でどうしても一年半で矯正治療を終えなければいけない大学生の患者さんがおり、皮質骨の一部に予めカットを入れてから(コルチコトミー法)矯正治療を行っております。その効果は絶大で、前歯が全く咬み合っておらず、しかも前歯のデコボコがとても強い方でしたが、一年間でほとんどの症状が改善し、ご本人もお母様も大変満足しておられます。
どちらの方法も簡単な外科処置を伴いますが、不快症状も少なく、これからの成人矯正の治療期間短縮のための有力な方法の一つになるものと思われます。