2009/12/9 水曜日

外科処置を併用した急速矯正法

Filed under: 矯正歯科 — h.nakano @ 9:43:19

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過日、最新の歯周治療、インプラント、矯正治療「永続性を考えた歯周治療」というテーマで、県内外の4人の講師による講演会が盛岡市内のホテルで行われました。

60名ほどの参加者があり、当院からは私と久保先生が参加しました。

矯正関連では、大阪の浦野智氏による「PAOO(ピー・エー・オー・オー)[外科処置を併用した急速矯正処置]の考え方と臨床応用」という講演があり、アメリカのDr.Wilcko が開発した、歯の周りの骨(皮質骨)にドリルで小さな穴を沢山開けて歯の動きを早めるとともに、その周囲に骨の粉を振りかけて骨の量を増すという方法が紹介されました(ウイルコ法)。特に歯の動きが遅い成人の患者さんに恩恵があり、矯正装置が入っている期間を半年から1年間ほどに短縮できるとのことです。

当院でも県外への就職の関係でどうしても一年半で矯正治療を終えなければいけない大学生の患者さんがおり、皮質骨の一部に予めカットを入れてから(コルチコトミー法)矯正治療を行っております。その効果は絶大で、前歯が全く咬み合っておらず、しかも前歯のデコボコがとても強い方でしたが、一年間でほとんどの症状が改善し、ご本人もお母様も大変満足しておられます。

 どちらの方法も簡単な外科処置を伴いますが、不快症状も少なく、これからの成人矯正の治療期間短縮のための有力な方法の一つになるものと思われます。 

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2009/12/2 水曜日

乳歯のすきっ歯は正常な発育のしるし♪

Filed under: 矯正歯科 — h.nakano @ 9:21:31

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 三歳で生えそろった乳歯は、五、六歳ころから永久歯に生えかわっていきます。この時期、乳歯がすきまなくきれいに並んでいるのは考えものです。むしろ、歯と歯のすき間があいている「すきっ歯」のほうが健康に成長しているしるしなのです。

 乳歯が生えそろうと、子どもは自分の歯でなんでもかみ砕き、食べられるようになります。またこのころになると動きも活発になり、少しもじっとしていません。生活は活動的になり、食欲も旺盛になってきます。あごの骨も急速に発育し、大きくなっていきます。そこで乳歯のあいだが少しずつすいてきて、すきっ歯になっていくのです。

 ところが軟らかいものばかり食べがちな子どもは、大事なこの時期にあごの骨が発育しません。そこですき間なく並び、一見大人のような、きれいな歯並びになってしまうのです。なかには乳歯の段階から、歯がすいているどころか、重なってデコボコに生えている子どもがいるほどです。

 さて、歯と歯のあいだがすくくらいあごが発達してくれば、次に生える永久歯はまっすぐきれいにならんで生えてきます。ところが乳歯のころから歯並びがきれいですき間なく並んでいると、一本一本が大きくて、数も多い永久歯が並びきるスペースが足りなくなってきます。そこで、永久歯の歯並びが悪くなってしまうのです。

 乳歯のすき間のないきれいな歯並びやデコボコは、実は永久歯のデコボコな歯並びの予備軍なのです。

 よくかみ、よく食べる子はあごがよく発育します。あごだけでなく、脳も活発に働き、体も健康に育ちます。おかあさん、子どもにはなるべく歯ごたえのあるものを食べさせ、あごを丈夫にしてあげてください。 

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2009/11/22 日曜日

キムヨナ効果♪

Filed under: 矯正歯科 — h.nakano @ 9:31:18

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 先日歯科医師会主催の歯科アシスタント講習会があった。受講者は40名。「歯科矯正学」の講義時間は1時間。短い時間で受講者に少しでも多くの使える知識を伝えなくてはいけない。 

 講義のスタートから矯正に興味を持ってくれるようにと期待して、トップ映像はキムヨナにした。 

「先日のフランス杯で歴代最高得点で優勝したキムヨナさんです。とてもかわいいですね。お口元のバランスも完璧です。左側の上2枚が矯正治療前の写真ですが、お口元がお魚のように突出していて、今のお口元と全然違うのがおわかりですね。これが矯正治療の成果です。矯正治療によってお口元が美しくなるだけでなく、噛み合わせが良くなることで平衡感覚やバランス感覚が良くなることも知られているのですよ。今日の講義では、キムヨナさんをこのように変えた矯正治療のエッセンスについてお話します…」 

 受講者の視線がスライドに集中し、私の説明を傾聴しているのが気配でわかった。あっという間の1時間。でもひょっとしたら皆さんの脳裏には、キムヨナが矯正してたんだ … だけの記憶が … 

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2009/11/21 土曜日

日本矯正歯科学会in福岡

Filed under: 矯正歯科 — y.kubo @ 9:14:28

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11月16日から3日間日本で一番大きな矯正歯科学会に参加してきました。

場所は福岡。

会場では前日までグラチャンバレーボールが開催されていたり、

隣の建物では大相撲九州場所が始まっている大きな場所です。 

初日は講演を聴講し、翌日は症例展示などのパネルや商社展示を回りました。

お昼には数名の先生方とあるテーマにそって討論するラウンドテーブルディスカッションに参加しました。

その先生方も臨床において私と同じ様な悩みを持っていることがわかりました。

講演やパネルなどの発表を視聴することで色々得ることもありますが、その時にお会いする同門の先生方とお話をすることで得ることもたくさんあります。

学会で得た知識を今後の治療に反映させていきたいと思っています。

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2009/10/21 水曜日

管楽器歯科♪

Filed under: 矯正歯科 — h.nakano @ 9:19:39

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10月18日に東北各県から約120名の歯科医師が参加して第62回東北地区歯科医学会が開催されました。その中で、大船渡市でご開業の渡辺先生が「管楽器歯科 〜診療時の留意点〜」という発表をされました(一応私も共同演者)。
内容は、1)管楽器歯科の歴史、2)管楽器歯科の序論((1)アンブシュアとは、(2)Strayerのアンブシュアの分類、(3)楽器の構え方、(4)管楽器吹奏が、歯・歯列におよぼす影響)、3)管楽器奏者への診療時(矯正歯科治療を含む)の留意点、4)管楽器奏者の前歯部の補綴について…。
◇例えば、トランペットの場合、写真のように叢生(歯のでこぼこ)が強いと、まっすぐ楽器が構えられず、振動が制限されて楽器がよく響きません。またすぐに唇が血行障害と筋肉疲労を起こします。この歯並びでは楽器は上手くなりません。では、トランペットは無理なのか?矯正をしなければ、いけないのか?アダプターを使用する事で、まっすぐ構えられ、子供であれば早期に適応して、すぐに上達します…。
◇これから管楽器を始める方がいたら、歯列・咬合などを診査して、最も適した楽器を薦めてあげたい…。
◇クラリネット・サックスには、無条件にアダプターの使用を推奨します…。
◇ 矯正中の患者さんが、実は管楽器を吹いている事を術者が知らないという事があってはいけない。管楽器奏者への矯正は、楽器ごとの特徴を把握し、力系や装置の工夫が必要です…。などなど…
歯科医師サイドだけではなく管楽器奏者にとっても有益な情報を沢山含んだ発表であったと思っています。

管楽器奏者の方で、あるいは歯科医療従事者で、管楽器と歯科治療についてもっと詳しくお知りになりたい方は、渡辺歯科クリニック(TEL: 0192-26-5100)にお訊ね下さい。

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