アジア矯正インプラント学会
9月10、11日の2日間、仙台市で開催された、第8回アジア矯正インプラント学会に参加してきました。参加者は100名ほどの小さな会でしたが、アジアを中心に7か国から25題の発表がありました。歯科矯正治療の中でも先進的なこの分野、実はアジア発の研究と治療方法が世界をリードしているのです。
歯科のインプラント(人工歯根)のことはご存じだと思いますが、矯正治療に用いられるものの多くはとても小さくて、耳のピアスのピンほどのサイズです。6年ほど前になりますが、私も患者さんの気持ちになってみようと思い当院のK先生に矯正用のインプラントを埋めてもらったことがあります。15分ほどの処置でしたが痛みは全くなくて2週間くらいはゴロゴロした感じ(埋めた所に生米の粒が張り付いている感じで頬の粘膜が触れて気になる)がありました。その内にすっかり慣れてしまい存在すら忘れるほど。これなら大丈夫と思い患者さんに使用しております。
インプラントを併用した矯正治療は、従来法だけで治療するより治療期間が短くなる、ヘッドギアーを使用しなくても良い、歯を抜いて治療する割合が減る、口元や、歯の傾きや、歯ぐきの出具合などを、より理想的な状態に治療できることです。このようにこの方法には利点が多いのですが、困ったことが一つあります。特に小さいピン型のインプラントを用いた場合5人に一人くらい自然に抜けてしまうことがあることです。抜ける原因とその対策について仙台の学会でも色々な面から検討した報告がなされました。現在の所、全ての方で成功というのは難しそうですが、患者さんに大きな恩恵を与える治療法だけに今後の研究成果が期待されます。