この夏の一冊♪
読売新聞の書評「読み始めた途端、これは傑作である、と確信する小説がある。・・」に惹かれて、「弩」(下川博著)を読んでみた。
横浜の金沢文庫等の資料を駆使した,史実をもとにした小説・・十四世紀のお百姓は実は侍を雇えるくらいに豊かでたくましく自立していたのである。主人公は、吾輔という百姓。後添えの小萩との馴れ初めと恋心、娘の澄との心理描写も面白い。この小説の鍵は、柿、塩、風呂、そして弩(ど)という武器だ。この内容、映画化したら、より活きるのではないかと思った。戦闘シーンは特にそう。地形を使った戦略、時間との闘い、人の心の動揺は映像をイメージできないと臨場感を感じられない。著者はNHKの脚本家。どうりで、ムービー化を意識しているな。ストーリーよくキャラもよく、物語のバランスも素晴らしい。読み始めたら止められず、お盆の休み中に2日で読破した。お薦めの一冊です。
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