いびきと眠りの公開講座2011
先日(8月21日)「いびきと眠りの公開講座2011」が、盛岡市の「いわて県民情報交流センター アイーナ」で開催されました。
この公開講座は、より良い眠りについて考え、睡眠関連疾患で悩む一般の方々にも情報を提供する目的で開催されているもので、今年で11年目を迎えます。
今年の特別講演では、福島県立医科大学の心臓病先進医療学講座の義久精臣(よしひさ・あきおみ)先生が「心房細動と睡眠時無呼吸症候群」と題してお話しされました。
心房細動は不整脈の一種です。心房細動が起きますと心房内に大きな血栓が生じることがあり、この血栓が脳の動脈を塞いで重篤な症状や後遺症を生じさせ、死に至ることもあります。心房細動は65歳以上では6%の発症率で、心房細動を患っていると脳梗塞の発症率が6〜7倍になります。この心房細動の約半数に睡眠時無呼吸症候群(SAS)が関わっていると言われています。睡眠時の無呼吸の無い良質な眠りは、心房細動や高血圧や心不全をも予防することになると話されました。
午後の部では「循環器診療とSAS」、「歯科診療とSAS」、「肝疾患とSAS」、「SASの診療と治療」、「看護サイドから見たSAS」の講演があり、SASが多くの疾患と関わりを持っていることが示されました。
来年の「いびきと眠りの公開講座」は、2012年9月2日(日)開催予定とのことです。ご興味のある方は、時々「北東北睡眠医療研究会」のホームページをご覧下さい(http://blog.suimin.org/?month=201008)。
SAS治療に関する最近の論文(Respiration. 2010 Oct 20 [ Epub ])によれば、中等症のSASでは、歯科で作製する口腔内装置が、現在SAS治療の主流であるシーパップ(CPAP)装置と同等の改善効果があったとする報告もあり、今後のさらなる医科・歯科連携の臨床研究成果が期待されます。
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