虫歯菌が脳出血を助長 発生リスク4〜5倍
9月24日のブログ『歯に「トレー」をかぶせ除菌』で、お口の健康は、がんや呼吸器系疾患、心血管疾患、肥満、糖尿病などさまざまな全身の病気とかかわっていることを紹介しました。
さらに最近、虫歯菌の保菌者の脳出血の発症リスクは、そうでない人の4〜5倍になるという論文が英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)9月28日号に掲載されましたので紹介します。
大阪大学の大嶋隆教授や和田孝一郎准教授、浜松医科大学の梅村和夫教授らは、脳出血患者の血液から虫歯菌といわれる「う蝕(しょく)病原菌」の特殊な種類を発見した。血管の内壁が傷つくとそこに結合するたんぱく質を作る性質があり、傷を治りにくくする。日本人の約8%が保有する菌だが、脳出血の患者を調べると約3割がこの菌を持っていた。患者から採取した菌をマウスに投与すると脳に出血がみられた。脳出血したマウスに投与すると脳の出血面積は5〜6倍に広がった。虫歯菌が脳出血を助長し、発生リスクを高めている。というものです。
これからは「たかが虫歯」ではなく『虫歯は生命を脅かす脳出血の引き金にもなる』という科学的事実を踏まえて、口腔(こうくう)ケアの重要性を再認識すべきでしょう。
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