2012/10/8 月曜日

心臓疾患の予防に歯磨きを、専門家が奨励

Filed under: 日記 — h.nakano @ 13:28:20

10.jpg  2011年9月24日と11月5日のブログで、お口の健康は、がんや脳出血、呼吸器系疾患、肥満、糖尿病などさまざまな全身の病気とかかわっていることを述べましたが、最近アイルランドのダブリンで開かれた一般微生物学会の会合で、口内の衛生状態が悪いと、心臓発作や脳梗塞(こうそく)のリスクが高まるとの研究結果が発表されました(9月11日AFP通信)。

 世界保健機関(WHO)によりますと、心臓疾患は世界的に死亡原因の第1位で、毎年1700万人以上の命を奪っています。

 心臓疾患の3大原因は、喫煙、肥満、高コレステロールとされていますが、新しい研究によって口内の衛生状態の悪さもこれに加わることが判明しました。

 人間の口の中には約700種の細菌がおり、歯磨きを怠るとそれらの細菌が繁殖しやすくなります。細菌の大半は無害で、健康を保つために必要なものもありますが、中には血管障害を引き起こし、心臓発作や梗塞に連鎖する引き金となる細菌もあることが明らかになりました。

 ダブリンにあるアイルランド王立外科大学のスティーブ・ケリガン(Steve Kerrigan)氏は、「口内はおそらく人間の体で最も汚れている場所だ」といいます。「歯茎から出血して血管に穴が開けば、そこから細菌が体の血流に侵入する」。

 細菌は、いったん血液に入り込むと血小板にくっつき、それが血管内で凝固して血栓となり、心臓への血流を減少させることになります。

 研究では「血管内および心臓内の血圧を再現し、細菌がさまざまなメカニズムで血小板を凝集させ、細菌が血小板によって完全に包み込まれる作用を再現しました」。このメカニズムによって、心臓発作や脳梗塞を引き起こすだけでなく、免疫細胞や抗生物質から細菌を守ってしまうことにもなります。

 英ブリストル大学のハワード・ジェンキンス(Howard Jenkins)氏は「今回の研究で、抗生物質が感染性の心臓疾患の治療に必ずしも有効でない理由が明らかになった」とも述べています。

 歯磨きには、むし歯や歯周病を防ぎお口の健康を保つため以外に、心臓疾患が予防できるという効用もあることが明らかとなりました。お口の健康は全身の健康にもつながっているのです。

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