乳歯のすきっ歯は正常な発育のしるし♪
三歳で生えそろった乳歯は、五、六歳ころから永久歯に生えかわっていきます。この時期、乳歯がすきまなくきれいに並んでいるのは考えものです。むしろ、歯と歯のすき間があいている「すきっ歯」のほうが健康に成長しているしるしなのです。
乳歯が生えそろうと、子どもは自分の歯でなんでもかみ砕き、食べられるようになります。またこのころになると動きも活発になり、少しもじっとしていません。生活は活動的になり、食欲も旺盛になってきます。あごの骨も急速に発育し、大きくなっていきます。そこで乳歯のあいだが少しずつすいてきて、すきっ歯になっていくのです。
ところが軟らかいものばかり食べがちな子どもは、大事なこの時期にあごの骨が発育しません。そこですき間なく並び、一見大人のような、きれいな歯並びになってしまうのです。なかには乳歯の段階から、歯がすいているどころか、重なってデコボコに生えている子どもがいるほどです。
さて、歯と歯のあいだがすくくらいあごが発達してくれば、次に生える永久歯はまっすぐきれいにならんで生えてきます。ところが乳歯のころから歯並びがきれいですき間なく並んでいると、一本一本が大きくて、数も多い永久歯が並びきるスペースが足りなくなってきます。そこで、永久歯の歯並びが悪くなってしまうのです。
乳歯のすき間のないきれいな歯並びやデコボコは、実は永久歯のデコボコな歯並びの予備軍なのです。
よくかみ、よく食べる子はあごがよく発育します。あごだけでなく、脳も活発に働き、体も健康に育ちます。おかあさん、子どもにはなるべく歯ごたえのあるものを食べさせ、あごを丈夫にしてあげてください。