子どものむし歯予防は1歳7か月からの1年間が重要!
むし歯の原因となる細菌(特にミュータンス菌)は、生まれたばかりの赤ちゃんには存在しません。それらの多くは、主に母親などの家族から食べ物の噛み与えなどで感染することがさまざまな研究から分っています。特に奥歯のはえだす19か月(1歳7か月)頃から31か月(2歳7か月)頃までは「感染の窓」が開く時期と呼ばれ、この時期に感染することが最も多いといわれています(Caufieldら:1993年)。それ以降になると口の中の細菌のバランスが決まってくるので感染の可能性は低くなってきますが、この時期に感染するとむし歯菌は優勢になり、生涯むし歯菌とおつきあいすることになります。
また、この時期に母親に対してプラークコントロールや衛生指導などを徹底した結果、その子どもへのむし歯菌の感染は半減し、それ以降も少ないまま保たれたという報告もあります。このほかにも妊婦対象の母親教室において噛み与えをさせない指導を徹底させた結果、2歳半までにむし歯を全く作らなかったという報告もあり、この時期の家族のむし歯菌のリスクを把握し、対策を立てることが非常に重要であることが分かります。
一見大変なようですが、逆の見方をすれば、この時期さえ注意しておけばむし歯菌に感染しにくいわけですから、かわいい赤ちゃんをむし歯にしないためにも、この1年は気合いを入れてケアしたいものです。
『赤ちゃんにむし歯菌を感染させないための7か条』
◎ 家族のむし歯菌のリスクを把握し、家族全員で口腔衛生を心がける。
◎ 噛み与えや箸などの共用など、家族の唾液が触れたものを赤ちゃんが口にするようなことは避ける。
◎ 歯の生えはじめからのブラッシング習慣(またはガーゼなどによるふき取り)。
◎ できればこのころまでに断乳をし、哺乳びんの使用も避ける。
◎ できるだけ砂糖を多く含む飲み物や食べ物の摂取を控え、規則的な時間におやつを与える。
◎ フッ素入り歯みがき剤やジェルなどを使用する。
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