2010/6/27 日曜日

モーニングとタキシード

Filed under: 日記 — h.nakano @ 9:32:27

FrockCoat1s.jpg

先日、菅新内閣が誕生しましたね。就任式の時に男性閣僚が着用していたのは「モーニング」・・、じゃぁ「タキシード」や「イブニング」との違いは何だろう、と妻に訊かれました。

調べてみますと、これらの礼装は「フロックコート」に端を発するそうで、メリーポピンズに出てくる紳士が着用しているあれですね。

「フロックコート」は元々、16世紀頃にヨーロッパ北部の農民が防寒用に着用していたものが、だんだん洗練されて18世紀には紳士の正装になったそうです。

この「フロックコート」の前の裾が乗馬の時にじゃまなので斜めに切り落とされて「モーニング」になった。「イブニング」は、この「モーニング」の前裾が膝のあたりからさらに縦に腰のあたりまで切り落とされて、いわゆる燕尾服になった。「タキシード」は、アメリカで「イブニング」の燕尾の部分もじゃまだということで切り落とされて、今のスーツのような形になったということらしいです。

ヨーロッパでは、今でも午前中から昼すぎにかけての第一の礼装は「モーニング」、夕方以降の第一の礼装は「イブニング」。それぞれには約束があって「モーニング」には、コールズボンという縞柄のズボンを合わせます。ネクタイは白黒縞かアスコットタイ。「イブニング」では、上着とズボンは同じ生地を使い、襟には必ずシルクを用いズボンの両脇の縫い目部分にもシルクの飾り(側章)を付けます。ネクタイは原則、白の蝶ネクタイ。「モーニング」でも「イブニング」でも、白あるいは黒のベストを着用します。

「タキシード」ではベストは着用せずにカマーバンドという腹巻みたいなものをお腹に巻きます。襟には必ずシルクを用い、ズボンにはシルクの側章もつきます。ネクタイは原則、黒の蝶ネクタイですが、かなりのバリエーションがあるそうです。

morning1s.jpg

 18世紀のフロックコート、ベスト、スラックスの組み合わせが、礼装や現代のスーツの原点なのですね。質問者の方、合点していただけましたか。

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